「フェアプレーについて」
財団法人 日本サッカー協会 サッカー指導教本 2002年度版より出典。

 FIFAワールドカップやJリーグで試合開始前に選手入場の先頭に立って入場してくる黄色い旗、みなさんご存じですか?
あれは「FAIR PLAY FLAG」といい、FIFAが積極的に展開しているフェアプレーキャンペーンの一環です。
 FIFAはフェアプレーが行われてこそサッカーはいつまでも最も魅力的なスポーツであり続けることが出来るという観点から、このキャンペーンを始めま
した。サッカーのフィールドの中だけでなく、全てのスポーツ、更には社会生活の中での行動規範として、フェアプレーの精神が浸透していくことを目標と
して掲げています。

【フェアプレーとは】
 フェアプレーとは何かという具体的な事例として、次の4項目を示します。
@ ルールを正確に理解し、守りましょう。
フェアプレーの基本はルールを熟知した上で、それを守ろうと努力することです。

A ルールの精神:安全・公平・喜び
ルールそのものを知ると同時に、何故そのようなルールになっているのか、考え方や精神を理解しなくてはいけません。
ルールは自分や他人が怪我をしないで安全にプレー出来ること、両チーム及び選手に公平であること、
全員が楽しくプレー出来ることを念頭に置いて作られているのです。

B レフェリーに敬意を払おう。
レフェリーは両チームがルールに従って公平に協議が出来るようにお願いした人です。
人間である以上ミスもしますが、最終判断をお願いしているのですから、信頼し、その判断を尊重しましょう。

C 相手に敬意を払いましょう。
相手チームの選手は「敵」ではありません。共にサッカーを楽しむ大切な「仲間」ですね。
仲間に不快感を与えたり、怪我をさせるようなプレーは絶対にしてはいけません。

【フェアプレーにおける指導者の役割】
 Jリーグでは、審判にやたらと異議を唱えたり、フリーキックでなかなか離れなかったり、抜かれた後に相手を捕まえたり、わざと倒れたり、相手に怪我
をさせるようなラフプレーや反則をしたりする場面がしばしば見られます。こういったことはプレーヤーがJリーガーになってから急に始まったことなのでし
ょうか。
 高校サッカー選手権での調査で、勝つためには反則も必要だとか、審判に見つからなければ反則はしてもいい世思っている選手が出場選手の2/3に
も上っているという報告がされています。これより下の学年でも多少減ってはいるものの同じ様な結果だそうです。こういった考え方は果たして選手だけ
で形成されるものなのでしょうか。
 やはり、指導者の考え方が選手に悪影響を及ぼしていると考えざるを得ません。指導者がフェアプレーをしっかりと教えていないばかりか、指導者自身
も意識するしないに関わらず、フェアプレーに反するような行為をしていないでしょうか。
 指導者の方には次のようなことを自問自答していただきたいと思います。

○子供達の人格を尊重していますか?人格を傷付けるようなひどい言葉や態度をしていませんか。
○子供達にルールを正確に教え、ルールを守る大切さを指導していますか?
○フェアプレーに反するような反則をした選手に注意を与え、二度としないように指導していますか?
○勝利至上主義に陥って、勝つことを強く強要しすぎていませんか?
○審判の判定にベンチから文句を言ったりしていませんか?
○負けたときに審判のせいにして、それを子供達に言っていませんか?
○相手の選手を「つぶしてしまえ!」などと言っていませんか?

 フェアプレーを尊重するかどうかは、子供の頃からの指導や練習、試合の中で形成されてきます。子供達にサッカーを教えると言うことは、ただ上手く
なればいいと言うことではなく、サッカーを通じて子供の人間形成に関わっていると言うことです。
 フェアプレーがあってこそ、子供達がスポーツをする価値があることを十分認識して、指導に当たっていただきたいと思います。フェアプレーはスポーツ
の中だけに価値を持つものではなく、社会生活にも共通する行動規範なのです。

 この「フェアプレーチェックシート」で、あなたのフェアプレー理解度をもう一度チェックしてみてください。



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フェアプレーチェックシート
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